久しく、映画館に行かなかった。
ドライビング、マイカーが、おくりびと、以来のアカデミー賞。
J:COMのオンデマンドで、800円でも観られるが、映画館で見たくて。
東宝の株主招待券も、ずっと無駄に期限切れだった。
コロナを警戒して、密室は避けていたのだが。
映画館に着くと、ほとんど満席。
せっかく来たので、空いている席を選んだ。
株主招待券なので、事前予約はできない。
株主優待は、この映画に使えないと言われた。
再上映の映画だから、と。
高齢者はいくら?
1200円。
どうしようかな、と一瞬。
まあ、良いや。オンデマンドが一瞬頭をよぎったけど。
チケットでもらえる時間は4時間。
長い映画だから。
ガーデンズに来てないので、プラス1時間のカードが使えるか。
2階のサービスセンターで。チェックしてもらったら、
今日までのポイントが残っていると言われた。
映画が始まるので、慌てて、映画館に戻った。
私に席は後ろの方の真ん中。
満席。
若い男の子達が、横に。
映画館定番のポップコーンを買っている。
もう片方は女の子。ナゲット持参。
高齢者も多い。
隣の男の子は、マスクの下から、ポップコーンを入れながら、食べ始めた。
上映時間が、長く、密閉の満席。
食べ物と飲み物を持参の人が多く。
警戒。
坐骨神経痛なのか、お尻から腰に痛くて、座っているとつらくて。
久々に、座る辛さ。
飛行機の中で、長く座れないので、廊下を歩いていたことを思い出した。
足から腰に響く。
ドライビングマイカーは、村上春樹の原作を使っている。
ベケットのゴドーを待ちながら、の演劇上映から始まる。
懐かしい。パリで観た演劇の舞台が蘇る。
チェーホフの、ワーニャ叔父さん、が、映画の進行と共に、
深掘りで、映画のテーマとして展開していく。
各国語を話す演技者、手話の演技者も。
言葉は、表現の手段であり、道具。
話し言葉と書き言葉は違う。
話し言葉は、情動や無意識から発せられる。
言葉以前の、衝動語、情動、身体語が、演劇の本質。
それが演じられる場、空間を、共有するのが演劇の本質。
監督が目指しているものがすごくよくわかる。
村上春樹の世界でもあって。
人間が内面に持っている、もう1人の私。
淀川長治じゃないけど、
映画って良いなあ、と、久々に、心に残る映画。
考え始める映画に出会った。
デュラスの言葉もよぎる。
みんな、他人への不信感、自分に不信感でいっぱいね。
私は自分を信じている。他者を信じている。
この映画のテーマに通じている。
世界の人々に、共通に響いた映画。
すごい監督が出てきて、ワクワクする。