重い腰を上げて、出かけた。
歌舞伎映画の、弥次喜多、と、万引き家族を見るつもりで。
大阪市ステーションシネマで、弥次喜多を見てから、コナミに行くつもりだつたけど、昨日のトレーニングであまりに疲れている。
梅田シネリーブスで、もりのいる場所、が、16時40分からの上映だとか。
弥次喜多で、結構疲れていたけれど、コナミはパスして、見て帰ることにした。
以前なら、日に何本もハシゴしても平気だった。
最近は、二本が限度。
映像で見る、歌舞映画は、大写しで表情も豊かに見えて、面白い。
映画館に座っているのも結構疲れる。
シネリーブス梅田は、少し離れているのでついご無沙汰になるけれど、興味のある映画はたくさん上映している。
周りの景色も広々として、好き。
マツダのロードスターが展示されていた。
真っ赤なスポーツカー。
もりのいる場所は、山崎努がもりを演じて、奥さん役に、樹木希林。
樹木希林の存在がなければ、退屈でつまらない作品になりかねないところ。
彼女の演技は、映画界にとって宝のよう。
作品としては、先日、WOWOWで観た、「あん」の印象が強くて、
あん、は、心に残る、とても良い映画だった。
閉ざされた世界で、希望を持てない状態において、生きねばならなかった、女性を演じた樹木希林の演技は、完璧の美しさを放っていた。
少女の頃から、社会から隔離されて、少女のような可愛らしさを持った初老の女性は、自然の美しさと、自然に養われて、のびのびと生きる、鳥のような軽やかさを備えている、無垢な女性。
人の苦しさを、自分の心の痛みとして、共感を抱いて受け止める女性。
作品は、社会の中で、押しつぶされそうになりながら、絶望的な苦しみを抱えていた人達が、
閉ざされた心を、解放し、生きる希望を見出していく姿を描いている。
サルトルは、閉ざされた世界にいる時が自由になれる、と言ったのは、
想像力の限界なき自由を、そう表現したのだと思うが、
あんの、主人公の女性が、自殺することなく、人を恨むこともなく、これほどまでに、l純粋で美しい存在でありえたのは、想像力の世界に羽ばたいていたからだろうと思う。