青空に白い雲が流れるように

読んでくださるあなたに。小さな幸せを感じてほしい。そして私も、読んでくださることで、一人じゃない幸せを感じていたい。そんな思いで、あらゆる垣根を持たないて、好奇心のおもむくままに、手を走らせていたい。明日への小さな幸せを求めて。

異邦人

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スリランカ在住の友人から、

何度か電話の着信があった。

いつもは気にしないのに、ふと、

緊急の問題があるのではないか、と

気になって、メール入れた。

夜、電話がかかってきた。

別に何もないけど、私の方に変わりないかと

思って、

という言葉から始めって、

友人はめまいが酷くて、メールも書けない状態だった

という。

やっと抜け出たので、電話してくれたそう。

今年の夏は、ドイツのアパートを売って、

お金を、スリランカに送れず、

ヴィザの新しいシステムでの更新に、

何度も領事館に足を運んでは、事態が進まずで、

神経がすり減って、食べられなかったとか。

病気の原因は見当たらず、ストレスが原因のめまいだろう、

という。

医者の出す薬は余計に気分が悪くなるので、やめた。

異国に暮らし人達の無力さに、

私もため息がつくが、どうしようもない。

理不尽な苛立ちだけが残る。

、海外で暮らす人達に、羨望の目さえ、持ってたけれど、

身体の衰えを感じ始めると、痛みだけが伝わってくる。

パリに長く暮らしている従姉妹も、

昨年の冬に、飛行機に耐えられるか、という状態で、

日本にやってきた。

癌の再発を恐れて、いつ死ぬかわからない、と不安から、

めまいと、まともに歩けない状態だったと聞いた。

日本の空気に触れ、好きな食べ物を食べて、慣れ親しんだ、場所に

いると、自然に、症状は消えていた。

美味しいものばかりたべたから、元気をもらった、と帰って行った。

身体が回復すると、癌に怯える気持ちも失せて、

また、しばらくはパリで暮らそうという気になっている。

暮れに日本に来るつもりだったのに、滞在許可証を、一月何日、と

指定されて、来れなくなった。

12月に切れるから、そのつもりだったのに、役所の都合で。

スリランカには、日本食で暮らしていると、食費は高く、

美味しいものは少ない。

身体に合わない食べ物で生活していると、

若い頃はなんでもなくても、身体が受け付けないようになってくる、

ということもわかる。

父を誘って、海外に行くと、飛行機と食べ物が嫌だ、と言ってた。

それを想像力で読み取ることが出来なかった。

今なら、

本当にそうね、と共感できる。

若い頃は、異邦人に憧れを持っていた。

アウトサイダーでありたいとか、

根無草の、デラシネという言葉にカッコよさを

抱いていた。

 

今だって、地に足ついてないけど、

埴生の宿に、心地よさを感じる。

異邦人は、自由ではない。

故郷の国では、当たり前の権利が、

与えられない。

自由を剥奪された状態に近い、

強制されることに、反抗する自由は、

持てないのだ。

抑圧を身体で受け止めて、心身共に、

打撃を受ける人も多いのでは、

と心が痛む。