中村メイコは、聡明で、話が的を得てて、潔い。
断捨離という言葉が嫌い。
お別れという言葉を使う。
トラック七台分の着物や衣服など、捨てたと。
ものが捨てられない人は、
良く言えば、愛着。悪く言えば、欲。
メイコさんは、昨日買ったものでも、気にそぐわないと、躊躇なく捨てる。
友達も、気が合わないと思えば、すぐに付き合いをやめる。
友達は、とても特殊な人だった、美空ひばり、だけだと言い切る。
2人に共通するのは、子役。学校を休む日も多く、行っても、お迎えで帰る、
という生活。
子供は普通の学校生活をさせて、ある程度大きくなって、自分で決める
まで、芸能界に入れるのは反対だという。
2歳から子役で活躍したメイコと、同じ境遇だった、美空ひばり。
都蝶々も、子供座長の芝居小屋のどさ回りで、学校に行けず、家庭教師。
友達ができる環境ではなかった人達。
知り合いが、銀行の転勤族で、引きこもりの長男がいる人がいた。
転勤で、友達ができると、別れるという生活が、
良くなかった、と言われた。
中村メイコの旦那さんは音楽家。
物別れを2人で話し合って、ご主人はグランドピアノ
など、どんどん捨てるの。メイコも物別れに拍車がかかった
らしい。
物が捨てられなくて、使い切ると決めた私。
染みができたり、ぼろになったり、ほころびができたら、
躊躇なく捨てられる、と思うのだけど。
自分に振り返れば、使い物にならなくなって、
捨てられる、姥捨と同じ。
賞味期限のあるうちにお別れ、の方が嬉しい。
気に合わない人に合わせて自分を二の次にしている
人が大半を占める。
潔く、捨てられる人は、友人の選別も潔い。
諸行無常を、会得していて、だからこそ、
快適で無駄を省いた、時間の使い方ができる
のだろう。