メットライフオペラの、ロミオとジュリエットに、ディアナ、ラムローが、ジュリエットで出演している。
今や、世界一のコロラテウーラとして、名声高い、オペラ歌手。
その昔、パリのシャンゼリゼ劇場で、まだ新進気鋭の彼女のリサイタルを聴いて、その声の美しさ、旨さ、姿形の美しさに、感激し、興奮して帰ってきた。
バラの従姉妹に、興奮状態で、素晴らしかったことを、熱を込めて話した。
先日来、5日ほど、従姉妹が家に泊まって、家事を引き受けてくれていた時に、ビデオに収めた、ロミオとジュリエットを、少し観てもらった。
従姉妹は、そういえば、と当時のことを思い出してくれた。
リサイタルで、わたしは長い列を待って、購入したCDに、サインをしてもらったのを、従姉妹に見せていた。
今のディアナは。当時の美しさは残しているものの、すっかり体格が良くなって、年齢も重ねている。
この二月に。劇場のメットライフオペラで、ディアナ
ダムローが、椿姫を演じるというのを、ネットで見た。
映画館で、オープニングに、ドレスアップしてみるという企画があるとか。
パリに行くと、その頃はまだオペラガルニエで、オペラを上演していた。
劇場に行くと、椿姫のチケツトが完売。
劇場の前に立っていると、紳士が、わたしに、チケットを買ってくれないかと言ってきた。
半額でいいから、と。
わたしは飛びついた。
あなたはラッキーですと、その紳士は言った。
もうすでにオペラは、始まっていた。
乾杯の歌が、終わりかけ。
座席はオーケストラの、とても良い席だった。
しばらくして、その紳士がとなりの席に座った。
彼は、誰かとデートの約束をしていたか、強引に誘ったとものか、わからない。
気まずさもあって、彼は一言も喋らなかった。
わたしも知らないフリしていた。
パリのオペラは、バスティーユに変わってからも久しい。
バスティーユの、5ユーロの席をゲットするために、2時間近く並んだ。
時には、売り切れて、トボトボと帰らなければならない時もあった。
当時は、安い席を求めて、演劇や、オペラを観るのに、精力的に行動した。日本円にして、1000円くらいというものがあった。
どの国に行っても、そういう、立ち見席だとか、公演前に、何枚かのチケットが、売り出される。
それ専門で、一流の舞台を観てきた。
だから、
シャンゼリゼ劇場で、ディアナ、ダムローの、素晴らしい才能と、これからの活躍を予知できたのが、とても嬉しい。
わたしの耳は、そう間違ったものではないと確信できるから。
ここ数年、日本では高価なチケットを買うようになった。
あのエネルギーはどこかに。堕落したのだろうか。
日本のチケットは、高いけれど、飛行機のチケット代はを思えば、と自分に言い聞かせて。
身体が堕落している。