舟木一夫の大フアンであると称する、片岡鶴太郎のインタビューで、BS放送「永遠の青春スター。舟木一夫」という放送の中で、最後に、鶴太郎が、舟木一夫を言葉で表現すると、「男の色香」と書いた。
男の色香、なるほど、ピタリ、その言葉が似合う。
新橋で、共演している、笹野さんが、舞台で観ていても、横顔が美しくて、惚れ惚れする。ジャラシーを感じるほど、いい男だ、と語っているが、男が惚れ惚れする男に共通するのは、男の色香、ではないだろうか。
舟木には、当然女性が多いけれど、男の人の姿も目立つ。女性一辺倒ではない。歌を聴きに来る人もいれば、時代劇を楽しみにしている人も多い。
男の色香、といえば、石原裕次郎が思い浮かぶだろう。
全国民的に愛された、永遠の青春スターだった。
石原組の男達が、裕次郎に惚れ込んでいた。男の色香、が漂う映画俳優には、往年では、大川橋蔵、市川雷蔵、中村錦之助、など、多数の男優の、男の色香があった。
最近の俳優は、性別が希薄になって、男の色香、というよりも、可愛いとか、カッコいい中性的な魅力を持つ人が多くなったように思われる。
男に好かれる、慕われる人に共通する、男の色香。
舟木一夫は、他の人に見られるように、整形も、シワ取りもしていない。
笑うとくしゃくしゃに皺が目立つけれど、それが若さを失うものではなくて、若々しい。
スタイルも、少し健康的に太って、昔の痩せすぎで弱々しかったイメージがなく、自らにつけた長い体験と努力から、自然体で、何のてらいもなく、謙虚さが美しい。
御三家と言われた、橋幸夫、西郷輝彦は、舟木一夫が、どん底にいて、自宅で、仕事を受け、テープレコーダーと衣装のスーツを持って、出かけて行き、楽屋でアイロンをかけていつころ、ビクターの重役だったり、テレビで活躍していたけれど、今はすっかり影を潜めて、老後の生活を送っているのだろうか。
舟木一夫のコレクションは、数がわからないほどのティーシャツ。150本のジーパンと、サングラスのコレクション。
シンプル イズ ベスト の生き様を貫いてきた人だから、いつまでも、変わらない、若々しさと、
男の色香が衰えないのかもしれない。
頂点に立ったから、そこのそこまで落ちるのは、当たり前だと思って、淡々と生きた。
そこからまた、ここまで来て、自分ほど幸せな人間はいない、と感謝している。
やんちゃ坊主を続けていきたい、といって、爽やかに笑った。