年に一度、この日を楽しみにしている。
フェニックスホールでのリサイタル、今年で3回目。
年々ファンが増えて、満席。
今回は、スペシャルと題して、バリトンの黒田博さんをゲストに迎えて、お二人での二重唱は、火花散る迫力のある、しかも呼吸がぴったりあって、感動的な舞台だった。
ドン・カルロの、われらの胸に友情を、という二重唱は、今も耳に残っている。
黒田さんのボリウムの迫力あるダイナミックな歌い方も魅力的だった。
福井さんも、商売熱心になつたね、と友人が言うので、
だつて、二期会の社長さんだもの、会の運営を任されているから大変。先頭に立って売り込みやらなくちゃいけない立場だもの。
海老蔵も、舞台にで出っ張りで働いているてしよ。
成田屋を1人で背負っているから。
と言った。
歌舞伎の世界でも、歌舞伎以外にアルバイトで稼いでいる。
家計は火の車なのだ。
大所帯を率いている長ともなれば、それはそれは大変。
劇団員も、アルバイトしないと生活できない。
福井さんも、国立音楽大の教授だけをしていた頃は、音楽だけに専念できけど、代表になつてからは、余計な苦労が覆いかぶさっていて、気の毒だけど、活発に、精力的に動かれるようになってもなった。
歌の素晴らしさは、益々磨きがかかって、黒田博さんを迎えて、エスカレート。
私達は、幸せな時間をいただいて、我を忘れて、酔いしれていた。
終わってから、ロビーに出てこられて、観客と話をされたり、写真を撮られたりのサービス。
親しく話が出来て、感動の喜びを伝えることが出来て、リサイタルを聴きに来ている人たちは、興奮気味。
車椅子も奥様をいたわりながら、今年も1番前の席に座っておられる老夫婦は、
ずっと以前から、福井さんものファンだと、1回目のリサイタルでおっしゃっておられた。
毎年、この日を
心待ちにしながら、日々、希望に支えられて生きておられる人達も沢山いる。