澤瀉屋で育った、段四郎が、歌舞伎界から、新派に入段、北村禄郎を襲名のお披露目公演が、新橋演舞場から、大阪の松竹座で。
夜の部は、向上と、新派の十八番、婦系図。
泉鏡花の作品として、あまりにのよく知られた作品です。
段四郎は、スーパー歌舞伎で、猿翁さんが倒れて、主役をつとめていたくらい、スーパー歌舞伎を背負って立つと思われた時もありました。
亀治郎が、猿之助を襲名して、澤瀉屋は、歌舞伎界を背負って立つぐらいの重要な位置を占めるに当たって、月の助と襲名した段四郎の影は薄くなり、新派に移る決心をしたのではないかと思われます。
新派の全盛期は、花柳章太郎から、水谷八重子まで。
今回、月の助を迎えて、新派を再び復活させたいとの意気込みはわかるのですが、役者不足の感がします。
内容としては、さすがの作品ですから、十分面白く見応えあるものなのですが、泉鏡花の描く、女の魅力を表現できる役者はいない。
北村禄郎を襲名した月の助にも主演を張る花にかけるというのが、私の印象です。
前途多難の船出を感じました。