11月の歌舞伎座は、我慢するつもりでいた。
八千代座で会った、東京からの人にも、行かないと言っていたけれど、
やっぱり行きたくて、歌舞伎座の空きをみたら、偶然に、すごくよいせきがあつて、飛びついた。
前に探した時は、こんな席はなくて、あまり良い席がなかったのも、やめた理由だった。
帰ってきた席に、運良く、当たったらしい。
2番目の、廊下を挟んだの席で、中央に近い、最高の席。
法界坊の細部まで、手に取るようによく見える。
最初から、声出して笑ってしまう。
観客のどの顔も、笑ってしあわせ。
こんなに美味い役者は、ほかにあるだろうか?
形が他の役者にはできない。
息が抜けて、軽やかで、身体はものすごか柔らかく、踊りの神童と子供の頃から絶賛された、猿之助だから、できる法界坊。
アドリブは、頭の良さがなせる技。
他の役者は、笑いを堪えられないで、下向いて笑ってる。
観客が喜ぶのも当たり前。
当の猿之助は、笑わせるのを楽しんで、エスカレート。
ああ、なんと幸せなこと、
夜の部は、最初に、吉右衛門の五右衛門で、菊五郎の、羽柴という、重鎮の芝居で、南禅寺の山門の、桜門で、始まった、
前席なので、圧巻の舞台。
2番目は、文売り。雀右衛門の一人踊り。
これも割に短い。
法界坊は、序幕が2時間の長いお芝居だけど、あっという間の2時間。
15分の休みを挟んで、40分。
亡霊と化した、法界坊が、娘に化けて、恋しい男を慕う、姫と、娘に惚れた法界坊を、踊り分ける。
踊りは、惚れ惚れとする猿之助。
まわりをみると、猿之助ばかり観て、追ってる人が多い。そういうわたしもだけど。
終わって、余韻が残る。
後ろから、この間は、西側だつたので、とか、こんどは、どこの席、だとか話し声がきこえる。
わたしも、贅沢させてもらっていると思ってるのに、東京の人なのか、歌舞伎の好きなひとたちは、
公演ちゆう、何回も見にきている。
すごい人気の猿之助。