夜の部の、芝翫演ずる弁慶と、仁左衛門演ずる、冨樫の、勧進帳は、素晴らしい出来栄えです。
仁左衛門の弁慶は、情愛深く名演技ですが、新芝翫の弁慶は、東男らしい豪快さと、可愛らし情愛溢れる演技に加えて、男らしい豪快で見事な舞振りに感動しました。
最初はお正月らしく、藤十郎と3人の息子達の舞で始まります。橋之助を襲名した長男は大学生で、お父さんの名前を襲名する自覚に溢れています。ふと、勘九郎に似ていると思うところがあるのも当然。従兄弟同士です。踊り振りも似ている。
三男の歌之介は、中学生だけど、踊りが上手なので、芝翫の血を引いて、女型の舞を受け継ぐような気がします。
向上の芝翫は最高です。見事な向上。これほどのものは、そうあるものではありません。
最後の、鴈治郎が主演の、上方風情のお芝居は、児太郎が相手。児太郎は、福助の子供なので、芝翫の兄の子供にあたります。
3人とは従兄弟同士。福助は、リハビリ中で、歌右衛門襲名を待たれます。この、成駒屋は、芝翫が、関西から出た役者で、鴈治郎とも同じ屋号。
夜の部は、見応えあって、お勧めの舞台です。