バレーが好き。という人の気持ちがわかる映画。
バレーの美学は、鍛え上げられた肉体の、フォルムの美しさ。
ボリショイバレーのドキュメンタリーかなと思って入ったら、ストーリーがあつて、演じているのは、最高のバレーダンサー達。
2人のダンサーが、同じ白鳥の踊りを舞うシーンは、最高。
1人は、主役で、1人影のように踊るのは、代役。
代役のバレリーナが、比類なき才能の持ち主で、その美しさに惚れ込んだ、かつては、名バレリーナだった教師が、ボリショイバレーで、スワンに抜擢するつもり。
富裕層の母親は、スワンを自分の娘にと願い出るが、叶わず、スワン役をお金で買収する。
断っていた娘は、久しぶりに帰郷、母親と弟のあまりに哀れな生活に、将来を約束されるスワン役を降りる。
ボリショイバレーで、スワン役が変わっていることに、老教師はショックを受けて、力尽きてなくなる。
ボリショイバレーのプリマドンナとして活躍してある娘と、端役で踊る、2人のスワン。
代役に抜擢された、貧しい娘は、怪我して舞台に立たなくなった主役の友人に変わって、ついにスワンを踊る機会が来る。
老教師が、かつての素晴らしい、プリマドンナだけが踊れた、最高のスワンが、舞台に。
スワンを踊るために生まれてきたような、美しく、悲しげなスワン。
苦しみを秘めて、束縛を解き放ち、羽ばたくスワン。
自由自在に、白鳥を人間の肉体で、美しく踊るバレリーナ。
ボリショイバレーの厳しい稽古、入るための厳しい条件、その上で、スワンが踊れるのは、最高の技術と最高の体を持った人だけ。
その美しさは、世界で最高の舞台とされる、ボリショイバレーの存在感を納得させるもの。