青空に白い雲が流れるように

読んでくださるあなたに。小さな幸せを感じてほしい。そして私も、読んでくださることで、一人じゃない幸せを感じていたい。そんな思いで、あらゆる垣根を持たないて、好奇心のおもむくままに、手を走らせていたい。明日への小さな幸せを求めて。

西瓜

f:id:happyengel:20200819213403j:image

 

夏は果物の豊富な季節だけど、その中で西瓜は、

最もポピュラーで、誰でも西瓜にまつわる思い出が

あるだろう。

食後に西瓜を食べていた時、ふと思い出した。

甘い西瓜で、食べているうち、いつのまにか、

白い部分まで食べていて、思い出した。

母はお茶目なところがあって、面白おかしく、話を

するのが好きだった。

父が懇意にしていた、鹿児島に住む友人の奥さん

が我が家で、西瓜を食べていた時のこと、

入れ歯で、すっかり、白いところまで、感覚が分からずに

食べてしまった、という話に、子供たちは笑い転げていた。

母は西瓜の白い部分を、塩漬けにして、漬物にして、西瓜を余すところが

 

なかった。

私も、同じことをやっている。

が、最近の西瓜は、白い部分が薄くなっている。

甘さも進化して、糖度が表記されるようになった。

西瓜は体温を下げる効果があるので、夏には欠かせない。

昔は、庶民の味方で、安価だった西瓜まで、高級化している。

私にとって、イチジクも、格別の果物で、

見ると買いたくなる。

毎朝、祖父がざるいっぱいのイチジクをもぎ取った。

工場裏の庭に、イチジクとぶどうの木があった。

ブドウは、収穫まで行かず、取れても酸っぱくて、カナブンが来て、

嫌いだった。

イチジクの切り口から滲み出る白い汁はミルクのよう。

小さいけど、甘くて美味しい。

イチジクは、歯を溶かす、と大人になってから、あとで聞いた。

夏の毎日、西瓜とイチジク。

胃の中の河頭で、

広い敷地の中で、サラリーマンの競争や見栄もなく、

付き合いもなく、大声出して話したり歌ったり、好きなこと言って、好きなことして、

無頓着に暮らしていた。

その結果が、私の生き方に、継承している。

人と比べず、対象は私。

 

いつのまにか、それは息子にも。

出世に全く興味なくて、

人間関係に恵まれて、

働きに見合った給料もらって、

コンフォタブルに、

生活を楽しむことが息子の生き方。

人に好かれる性格は、

天性のものか、育った環境によるのか、

自身の体験から来るのか、

わからないけれど、

外国に暮らして、胃の中の河頭では、

体験できない冒険をしてきたから、

それが実ったのか。

ちなみに、息子がお腹にいた頃、

私は毎日西瓜ばかり食べていた。

西瓜の半分を一度に食べていた。

 

なので息子は食べ飽きたのか、

好きだと聞いたことがない。