松竹座に、藤山直美が帰ってきた。
吉本せいを演じて。
脇を固めるのは、新派の看板役者になつている、喜多村緑郎、田村亮、林与一。
林与一は、さすがにベテランの貫禄を見せて
春団治を演じている。
初日とあって、なにかハプニングがあるかと期待したけれど、台本通り。
喜劇にしては、真面目で、面白みにかける台本なので、藤山直美が、観客を爆笑に誘う場面はない。
戦争で全てが焼け尽くされ、無一文から、再び、吉本を復活させ、関東には、受けきれられなかった、上方のお笑い芸人が、全国的にどのチャンネでも、
なくてはならない存在になって、テレビ界を牽引している。
東京では落語、大阪は漫才が人気だつたのが、落語は影を薄め、吉本所属の漫才とお笑いタレントの活躍が華々しい。
大阪弁が、堂々と市民権を得た、東京、
ここまで引き上げた、吉本せいを、関西新喜劇の王様、藤山寛美の娘が引き受けているのは格別の感がある。
いつもは、一人なので、すぐ近くの、はり重に、食べに行くのだけど、友人と一緒だから、カニ道楽で、蟹が一杯詰まった、蟹ちらしを買った。
ひさしく食べてない、蟹。美味しすぎて、写真撮るのも忘れた。
大阪にうまいものあり。
焼きガニの匂い。
観光客が、立ち食いしている、道頓堀のかに道楽。
そういえば、通りの並びに、鰻の店も、河豚の店。
たこ焼きにお好焼き。
ラーメン激戦区でもあり。
観光客で、足の踏み場もないほどの人で混雑していた。
大阪は世界で、三番目に住みやすい町に選ばれたとか。
肩を貼らない、庶民的な町だけど、安くて、美味しいものでないと受けない。
安かろう、悪かろうでは、通用しない。
芸人の芸も、安くて、客を満足させる芸でないと受け入れられない。
吉本に所属して、育っていくタレントの給料はあってないような微々たるもの。
脱落していく人も多い。