青空に白い雲が流れるように

読んでくださるあなたに。小さな幸せを感じてほしい。そして私も、読んでくださることで、一人じゃない幸せを感じていたい。そんな思いで、あらゆる垣根を持たないて、好奇心のおもむくままに、手を走らせていたい。明日への小さな幸せを求めて。

華岡青洲の妻、松竹座

 

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猿翁の弟子で、スーパー歌舞伎の主役を務めていた、段四郎は、月の助とか改名してからは、脇にまわって、目立たなくなっていた。

2代目水谷八重子、波乃久里子の二枚看板になつて、高齢化も心配され、衰退の一途をたどっていた、新派に新風を吹きこみ、存続を図るため、月の助を迎えて、喜多村緑郎を復活させた。

今年の1月に、仲間だった春猿が移籍。河村雪之丞を襲名。

その記念公演として、華岡青洲の妻、を上演している。

 

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華岡青洲の妻、は、有吉佐和子の原作で、紀ノ川の和歌山を舞台に、実在した外科医をモデルにした作品。

麻酔による乳がんの手術に成功した華岡青洲を溺愛する母親と、母親が気に入って嫁に迎えた妻との、恐ろしいまでの戦いぶりを描いたもの。

華岡青洲の妹役の、波乃久里子が、好演していた。

勘三郎によく似てきた。

 

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新派は、初代水谷八重子の可憐さ、哀れさが魅力だった。その雰囲気を受け継いでいるのは、波乃久里子であることが、今日の舞台は語っている。

喜多村緑郎は、去年新派に入団して、新派の水に慣れたのか、かつての段四郎時代を取り戻したかのように、大きく感じられる。

スーパー歌舞伎で、個性的な演技を楽しませてもらった、春猿が、抜けたのは寂しいが、新派では、主役を張れるので、喜多村緑郎と息のあった演技で、新派を支える存在になるだろう。