ヤオフクで、和気史郎の絵が、あまりに安く、オークションで落札されている。
価格値下げ交渉あり、と書いている絵があって、こんな値段にはならないだろうと思って、値段を入れてみたら、すぐに、落札おめでとうございます、というメールが届いた。
え、という感じ。
これから交渉が始まるのかと思ってたのに、買わねばならなくなった。
税込と書いてるのに、8パーセントの税金がついて、送料も。オークションに出している所に電話したが、
キャンセルすれば、悪点がつく、と言われた。
仕方ないので、お金を振り込み、絵は翌日送られてきた。
オークションでは、もっと安い値段でいくつか出ている。
ちなみに、中山忠彦の絵や、リトグラフも、信じられない安さで、出ている。
まるで投げ売り。
でも、そうなんだろう。
コレクションしていた人が亡くなって、絵に興味のない相続人だったら、なんでもいいから処分して、お金になれば良いのだろう。
和気史郎の絵画を、コレクションしていた、丸ビルの中にある吉見画廊がなくなっていたので、きになっていた。
昨日、和気史郎の絵画を調べてたら、新しい場所で画廊をやっておられる。おそらく自宅のよう。
持っている絵画を家の中に展示して、お商売をされているよう。
和気史郎は、62歳の若さで亡くなった。
和気史郎の実家の蔵を、美術館にして、代表作品を展示している。栃木の不便な場所にあるので、
一度行きたいと思いつつ、未だ、実現していない。
母がコレクションしていたのだから、その頃に、買った人達は、すでに亡くなっている人もいるだろう。
中山忠彦にしても、妹のご主人が、梅田画廊で、展覧会をされた頃の勢いは、幻のごとく。
画廊の家賃が払えなくなり、やめられて、今もご健在なのかわからない。
梅田画廊で、半額にするから、と言われて、ありがたく買わせてもらったリトグラフ。
友人が買ったものと同じリトグラフが、タダ同然の値段でオークションにかけられていた。
一千万はくだらないはずの、油絵も出ている。
絵をかけて、日々楽しんでいた人がいなくなり、紙くずにように扱われる絵画。
楽しんだ分の代価だと思えば、それで良いのかもしれないけれど、憐れを感じずにはいられない。
粗末に扱われることが忍びない。
和気史郎の絵画、私が買った値段は、オークションでの落札価額に比べれば、高いけれど、
和気史郎という画家の真価には、とても安い。
絵は出会い。私の所に来たいと言ってくれたのだと思う。