三月の歌舞伎座は、当代の人気役者が揃って、楽しい舞台を展開している。
弁天小僧菊之助を、幸四郎と猿之助が、偶数、奇数に分けて演じている。
偶数月の、猿之助が、弁天娘小僧を演じる日には、幸四郎とのコンビで、息のあった楽しい舞台になっている。
猿之助と幸四郎のコンビで、東海道中膝栗毛が、爆発的に人気を博した以来、毎年、夏の目玉のだしものになつている。
三月の、弁天小僧で、浜松屋に、金をせしめる目的で、女に変装している、弁天小僧と、若党。
観客は二人が出てくると、笑い声が湧く。
おかしくて、面白い、二人の舞台。
白鵬の、盗賊の親分、白浪五人男の堂々とした、貫禄のある、見事なまで台詞まわしに、惚れ惚れする。
おなじみの台詞が飛び交う、五人男。
猿之助と、幸四郎の、熱の入れように、舞台が熱くなる。
その前の出し物、雷船頭は、舞踊を、やはり、幸四郎と猿之助が、交互で、舞台を務めている。
猿之助の弁天を選んだので、舞踊の舞台は、幸四郎だった。
踊りの名手としても、二人の踊りは楽しませてもらえる。
奇数日も見たいけど、そこは我慢。
歌舞伎座としては、日を変えることで、観客の動員数が増える。
役者の出演としては、当たり役を分け合うというメリットがある。
最初の出し物は、仁左衛門の当たり役、佐々木盛綱。
盛綱陣屋というお芝居。
仁左衛門は、お芝居一回一回、一期一会で、違った演技に挑戦しているという。
人間的に、きめの細かい微妙な神経を要する役所は、仁左衛門ならではの得意芸。
上方の役者がメインの舞台だけど、勘九郎の息子。勘太郎が、大役を見事な演技で勤めて、沸かせた。
寺島家の孫、フランス人と結婚した、寺島しのぶの息子、寺島真秀が、盛綱の息子になって、出演。
お父さんが、出ていない、子供達。
しっかりした演技を見せて、これも、見もの。
ホテルで夜中、警報機が鳴った。
火災報知器が、作動しました、確認します。という大きな声が鳴り響いた。
それが何回か繰り返され、
確認しましたら、異常ありませんでした。
というアナウンスが、何回も。
すっかり寝られなくなって。
火災が発生してなくて良かったのだけど。
11階の、レディー専用フロアーにいたので、階段で降りたとなるという、と心配したり。
いつか起こるかわからない火災。
慎重な友人は、非常口を調べたり、出来るだけ階下に泊まるように心がけている。
全く気にしない、呑気な私。
昨夜は、直ぐに服着ておこうか、なんて、ちょっと慌てた。
そのあと、なんでもなかった、という、どえらい声の拡声器みたいなアナウンスに、睡眠不足。