この前の大雨で、電車がストップして行けなかった、松竹座の七月大歌舞伎の夜の部。
運が悪かったと諦めていた。
フランスに行く前の日に、弟の家にある仏壇にお参りに行った時に、宝塚歌劇団の公演は、代替のチケットを発行してもらえたら、という話を聞いて、
松竹座も、と言うので。株主招待の無料チケットまで、そんな待遇しないでしよ、と話していた矢先、母の所に行こうとしたら、ちょうど、郵便物の配達。
そこに、松竹座からの手紙があって、開けてみると、大雨で、チケットを引き換え機で取らなかった人に、代替チケットの案内だった。
あと少し、タイミングが合わなければ、フランスに行ってしまっていた。
すぐに電話して、何日かある指定の、最後の日に夜の部があるので、それを希望した。
希望は、第1が、夜の部で、だめなら、昼の部しか行けない。
折り返して電話で、26日の夜の部をもらえるとのこと、席番号は?と聞くと、二階の一番前の中席。
行けなかったチケットと同じく最前列。
夜の部は、幸四郎が、油地獄の与平を、猿之助が、与平に殺される、七座右衛門の女房、お吉を演じる。
仁左衛門が、御浜御殿綱豊卿を演じて、中車との掛け合いが面白く、迫力のあるお芝居が、始めに。
向上が間にあって、
どちらも1時間半以上の長いお芝居。
見応えのある夜の部。
ラッキーだった。
旅行の疲れが出てきて、居眠りする場面も。
油地獄の、見せ場は、与平に殺される女房と、2人が油の流れた床で、何度も滑って油まみれになる場面。
ものすごく体力がいる舞台。
2人の演技は、真に迫って、身体の柔軟さと動きの美しさ。
新幸四郎は、上方が大好きで、上方になりたいという願望もあるそう。
上方といえば、代表的なのは近松物。
この油地獄も、代表的な作品の一つ。
仁左衛門の当たり役だった作品の継承者は、幸四郎のよう。
幸四郎に、近松物はよく似合っている。
仁左衛門的な、2枚目の色気と、情緒的な美しさを持ち、柔軟でひょうきんな面白さのある演技が日毎に進化して上手くなって行く。
声良し、顔良し、姿よしに、演技力が加わって、近松物は、幸四郎の当たり役になって行くに違いない。
猿之助とのコンビも、弥次喜多や、様々な場面で、息のあったお芝居を見せて、観客を喜ばせている。^