八月納涼歌舞伎の、第1部は、最初に、刺青奇偶。
長谷川伸作、玉三郎が石川耕土との共同演出。
玉三郎が。何度か演じている、お仲を、玉三郎の指導で、七之助が演じている。
玉三郎の台詞回しによく似て、体の作り方も玉三郎を彷彿とさせるものがある。
勘三郎がえんしていた、半太郎を、中車が好演している。
かつて、勘三郎が、中車には、ぴったりの約だろうといつていたそう。
中車は、長谷川伸の作品を他でも演じて、はまり役。
演技力の深さが、歌舞伎会にあつて、世話物や、ドラマ性のある作品には、欠かせない存在感を発揮するようになつている。
七之助が、どんどん良くなっていく。
幅の広い役をこなせるようになって、この八月納涼では、素晴らしい演技で、観客を魅了した。
男女のまごころ、純粋な愛、涙を誘う素晴らしいお芝居。
玉三郎自身が、散りゆく桜の花のようなお仲は、大好きなお役だというが、私も大好き。
玉三郎は、映画やビデオに、自身の美学を残したいという思いがつよいけれど、肉体の継承を、七之助に受け継いで欲しいという思いが伝わってくる。
七之助は、玉三郎から学んだ役所を、やがては自分の独自のものとしていくだろう。
二番目のだしものは、勘九郎の息子で、勘太郎を名乗って、一人舞台を務めて踊りを披露している。
勘三郎が生きていたら、どれほど喜んだだろう。
のびのびと踊っている。
その後は、勘九郎と猿之助の、団子売り。
踊り上手な二人の息がぴったり。
終わって、よかつたわー、という声が聞こえてくる。