青空に白い雲が流れるように

読んでくださるあなたに。小さな幸せを感じてほしい。そして私も、読んでくださることで、一人じゃない幸せを感じていたい。そんな思いで、あらゆる垣根を持たないて、好奇心のおもむくままに、手を走らせていたい。明日への小さな幸せを求めて。

老人ホーム

 

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しばらく見ないと思っていた近所の方に会った。

お米を配っておられた。

私にも、と言われたが、米はほとんど食べないので、ありがたくお断りさせてもらった。

娘さんの近くのケアーハウスに入っておられるとのこと。

そら以前は、娘さんの近くにある病院におられた。

糖尿だとか。

元気な頃は、いつも、公園の掃除をしたり、足のない老人を車に乗せてあげたり、世話好きでよく働く人だった。

ご主人は、長患いで、奥さんが健気に看病と病院の送り迎えをしておられた。

ご主人が金銭を握っていて、自由になるお金に困って、働いておられたということを、ご主人が亡くなられて、お葬式に出た際に、近所の親しくされていた方から伺った。

何でも喜んでもらってもらえるので、生活に困っているのかと思っていたが、ご主人はエリートで、奥さんも、結婚前は、お殿様の秘書をされて、家柄も立派な方だった。その遺産を目当てに、ハンサムなご主人は結婚されたとか。

全ては、近所の方からの間接的な話だから、真相はわからない。

世話好きで、プライバシーが侵害され、迷惑だという手紙をもらったと、その方から聞いたことがあつた、

ブライドの高い近隣に住む、エリートを鼻にかけている人達からのもの。

粗末な服を着て、なりふり構わず、お世話して、その人から、私も、全く知らない人の話を聞くことがあった、あけすけで、おおらかな人と言えばそうだし、プライバシーを大事にしている人からは、鬱陶しい存在でもあっただろう。

私は、偉いなあと思っていた。なかなか出来ることではないと思っていた。

ご主人は、何度も入退院をくりかえしながら、亡くなられた。

残されて、やっと自由になった奥さんは、

食事作りも嫌になって、買い食いをされていた。

糖尿という体つきではなかったのに、一気に悪くなって、娘さんの近くの病院に入ったとか。

ケアーハウスの、カードを首にかけ、近所の人に挨拶がわりにお米を配っておられた。

すぐにまた、ケアーハウスに戻られるらしい。

家は空き家になっている。

三ヶ月のケアーハウスから、次は老人ホームだと言われた。

家に戻って来られたら、と私は言った。

娘が、遠いから、ダメだという。

晩婚でできた娘さん。溺愛に近い育て方をされていた。ご主人が亡くなって、奥さんに半分は遺産がいくはずなのに、娘さんが全て管理されている。

持てる能力を奪われ、老人ホームに追いやられる。

それでも親の愛は、子供を溺愛することしか知らない。

老人ホーム。

老いていく道しか辿れない場所、

死の扉に向かっての日々。

老人ホームは、ボランティアではない。

営利が、回転のきいた作業を要求される。