昨夜、9時からのNHK番組で、見えざる貧困、というテーマで、子供達が、貧困家庭で、置かれている状況から、アンケートを基にして、どのような負担が、物だけでなく、友達とのコミュニケーションを阻み、希望の持てない心の病を作り出しているのかを、浮き彫りにした。
一生懸命に、働き子供を育てている母親の苦労を理解している子供達は、普通の子供が与えられるはずの、わがままや、欲求を抑え込み、家庭を助けるために、幼い子供が家事を担当し、高校生になると、家計を助けるために、アルバイトを掛け持ち、身体も心も疲れ果て、なんとか境界線で踏ん張り続けている姿を映し出す。
服を買ってもらったことがない。ボロボロの靴を履いてサッカーのキャプテンをしていた、中学生の男の子は、高校でサッカーは続けられないと諦めざるを得ない。アルバイトで家計を支えなくてはならない。
母親が 朝も夜中も掛け持ちで働いて得るお金は、20万を切れる。夜勤の方が賃金が高いので、幼い子供達は、母親のいない夜。
両親がいても、シングル家計でも、家計の収入が年間240万円以内の家庭を、第1貧困と規定している。病気の父親を抱えている母親もいる。子供手当があっても、とても足りない。親に仕送りしなければならない母親。
高校生の女の子は、進学して、英語の先生になりたい。勉学に励んでいる。学費は奨学金で賄うつもりでいる。その負担額でさえ、重くのしかかっているのに、入学金が、別に70万かかると、奨学金指導教員に告げられる。毎月の学費と生活費を借りて、更に多額のお金を借りることへの躊躇と不安。
彼女は、進学を諦めて、就職の道を歩まざるを得ないかもしれない。答えは出ていないままで終わっている。
子供達が、当然の権利として持つべき、物、心、交友、教育、希望までもが、貧困に置かれて、もぎとられる。
真面目に働き、報われない社会は、アメリカだけではなく、日本でも深刻な問題だ。
スマフォを持ち、普通に見える子供達が、母親との連絡とコミュニケーションに、必需品になっていて、他の子供達と変わらないように、教育の現場では受け止められている。言わない、見られたくない子供達。
この問題を解決するのは、子供手当の増額しかないと、私は思う。
子供一人に、高校を出るまで、50000円の手当てが必要だと思う。一人なら50000円、3人なら150000円、くらいの手当てがあれば、貧困が次の貧困を生むという負の連鎖が食い止められる。
では、そのようなお金を、どこから出すのか。
恩給という制度が生きていて、教職にたづさわった老人が、一人50万円の年金をもらっているという事実を聞いて、驚愕した。
放送局 につとめていた人が、60万、70万の年金をもらっている。
老人の貧困も問題になって、生活保護に頼る老人が増えている。年金では暮らせない老人が多くいる。しかし、優先すべきは未来のある子供達の育成だ。
多くの年金をもらっている人たちは、資産も蓄えている余裕のある人がほとんど。
そういう人の、年金の上限を25万にして、その超過分を、子供手当てに回したらどうだろう。
夫婦で、25万以上の人、単身で20万を上限に抑えてもらって、子供手当てに、寄付の形ででもいい。
寄付控除で、税金はかからなくなる。ので、実質受け取れる額。
友人の話で、私達は働いてきたから、とか、自分たちが死んでからの問題、だとか、他人事で気にならない人が多い。見えざる貧困を作ったのは、私達だ。悪政だと言っても、それは私達が招いたこと。
日本は、少子化が問題になっている。
人口減少を解決すべく、フランスがとった、子供手当は、相当な金額だった。子供3人産めば、親は働かなくても暮らせるというくらい。
フランスは、教育は無料。医療費も払えない乞食でも、手厚く手術を受けられる。食べ物は、農業国だから、日本よりもずっと安い。
日本とは、社会福祉が全然違う。50000円で、子供達が家計のために働かなくても、勉学でき、最低の新しい服や靴を買ってもらえ、たまには家族で遊びにも行ける、。本も買ってもらえる、という 貧困から免れ、普通の生活が維持できるお金。
貧困世帯の消費にかけるお金が増えれば、景気対策の有効な手立てになる。
蓄えて使わない、タンス預金にしているお金は、腐ったお金。
銀行や郵便局も、しかり。
タックスヘブンで、無税の所にお金が流れ、そこで巨大な池を作っている。
貧困に苦しむ人達が、飲めるはずの水が飲めない。
国の税金で賄われるべき、国民の文化的生活を維持するお金が、手の届かない所に置かれて、埋めようのない格差を生んでいる。
老人に消費を促して、貯めたお金を社会に還元することが望まれるけれど、社会福祉の貧しい日本で、安心を得ることが出来ないと不安で、腐ったお金を抱いている老人達。
年金上限を設定することで、市民レベルでの、共助が出来るのではないだろうか。