青空に白い雲が流れるように

読んでくださるあなたに。小さな幸せを感じてほしい。そして私も、読んでくださることで、一人じゃない幸せを感じていたい。そんな思いで、あらゆる垣根を持たないて、好奇心のおもむくままに、手を走らせていたい。明日への小さな幸せを求めて。

歯科医

 

f:id:happyengel:20160825193904j:image

 

懸念していた事が事実になった。

通い始めて3年近くなる歯科の院長が癌に侵されている事を告げられた。

名医との評判高く、初診は2年待ちという歯科医。

私も、2年待つで、ようやく治療を始めた。

インプラントの途中で、テンプレート療法。

2年余りの、長い治療法。上下各1センチのプラスチックの歯の上にかぶせるテンブレートをはめて、1日12時間。首筋から、背中にかけて左右対称に強制する治療法。毎回調整しながら、歪みを治す。2年余りでやっと解放されて、隙間を埋めたプラスチックを歯につけて、噛めるようになつた。それから、何ヶ月か。首も腰も全く痛まなくなった。

落ち着いて、安定したようなので、これから歯の治療に入ろうという日。

受付に、メッセージがテーブルに乗っていて、検査の結果、病状が判明しましたと書いている。

先生に聞いた。

悪いものが出来ている、とのこと。

癌ですか?治るのでしよう?

転移して、深刻な状態だと。

なんと言って励ましたら良いのか?

急に痩せられた。予約は月に一度、そのたびに痩せられたなと思っていた。

 

f:id:happyengel:20160825200344j:image

仕事熱心で、夜12時くらいまでいると言われていた。歯科医は、職人と似ている。

デンタルネットで、関西トップの名歯科医。治療は計画的にプランを組んで行う。

長い治療になるので、途中何があるかわからないという不安があった。

仕事が趣味みたいなものと言われ、仕事がすべてのような歯科医。

ハードな仕事を1人でされているので、身体を壊さないかと心配したから。

その懸念が現実になって、この先どうなるのか不安がつのる。

必ず元気になられます、と希望的観測を込めて励ましの言葉をさがしながら、目に涙が浮かぶ。

とても痩せてこられて、げっそりと弱々しく見えて、まだ若いから、なおのこと心配。

 

f:id:happyengel:20160825200441j:image

 

多くの患者を抱えて、休むことなくはたらき続けておられる。

新規の患者はとらないことは、医院のホームページに載っていた。

治療を始める前に見た程度で、ホームページを見ることはなかった。

4月から、新規の患者はとっておられなかったよう。

私の治療と、先生の命と、複雑な不安がつのる。